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梅若会定式能

日 時  平成二十四年十月二十一日(日)午後1時開演
 於.梅若能楽学院会館


能 班女(はんじょ)
      前シテ    遊女・花子  松山 隆雄
      後シテ    狂女・班子  松山 隆雄
      ワキ     吉田少将   福王 和幸
     

あらすじ  
前場
美濃の野上の宿の遊女・花子(シテ)は、この春東国に下向する途中に立ち寄った吉田少将と契りをかわす。 それ以来、愛の誓いに取り交わした扇を見入るばかりで、他の座敷へ出ようともしない。それで班女と仇名されている。
宿の長(アイ)はそんな花子に我慢できず、追い出してしまった。(中入)
後場
その年の秋、少将は都へ帰る折に野上に寄るが、花子は行方不明である。仕方なくそのまま戻った。
そしてある日、糺(ただす)の森の下賀茂神社に参詣した。
一方、班女(後シテ)は、
「春日野の雪間を分けて生い出でくる草のはつかの見えし君かも」
僅かの出会いであった少将からは何の便りもなく、恋しさに心乱れ、神々に祈りながら都へと上京する。
「恋すちょう、我が名はまだき立ちにけり人知れずこそ思いそめしか」(カケリ)
恋慕の情が深まれば恨みも愚痴になる。男女間の昔話を色々思いながら狂女はさすらい、ただ少将の出現を待ちわびるばかりである。そして扇を出しては懐かしむ。(イロエ)
「形見こそ今は仇なれこれなくは忘るる隙もあらましものを」と謡う狂女も今、社前に着いた。
少将はその狂女を見、もしやと思う。
供の者に「扇を見せよ」と言わせたが、狂女はしっかり抱いていて見せない。そこで自分の扇を見せた所、半年前に取り交わした花子の扇である、と班女は納得する。
そしてお互いに扇を見せ合い再会を喜ぶのである。           
 

◇見所
・故事を背景に謡う地謡のハーモニーと優雅な舞は、幽玄美を醸し出します。
殊に扇の扱いにご注目ください。
・小書 「笹之伝」扇を持ち登場の所を笹を持って出る − 笹は狂女の持ち物 −
     「彩色」 通常"中ノ舞"の場面が"イロエ"になる − 囃子のアシライで静かに眺め、歩む  −


他に  能 竹生島(ちくぶしま)     
        前シテ     漁翁    内藤 幸雄
        後シテ     龍神    内藤 幸雄
        前ツレ      浦の女  松山 隆之
        後ツレ      弁財天  松山 隆之
        ワキ       朝臣   則久 英志


      狂言  鐘の音   野村 万蔵

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