梅若会定式能
2025年 4月20日(日)午後1時 開演 (開場 正午)
於.梅若能楽学院会館
能『鵺』_ぬえ
源頼政、鵺退治の伝説を幽霊物に脚色した曲
□配役 前シテ (舟人)・後シテ (鵺ノ霊) 松山 隆之
ワキ (旅僧) 村瀬 堤
問狂言 (里人) 三宅 右矩
□世阿弥の作
□滅びゆく者の暗い情念を夜の妖怪・鵺になぞらえている。
後場では勝利者・源頼政の栄光が地謡で語られる。
「頼政は名をあげて。我は名を流すうつお船に」
舞囃子「融」_とおる 酌之舞 松山 隆雄
□世阿弥の作
□源融が栄華を極めた六条河原の院に在りし日の優雅な姿で現れる。
邸内にしつらえた塩釜で海水を焼かせた事など懐かしみ、水面に映る
月をすくい上げ楽しげに舞遊び、西の方に消えていきます。
○雄大な舞をお楽しみください。
□他に
能『熊野』 シテ 井上 貴美子 ワキ 宝生 常三
狂言「鶯」 高澤 祐介
◊◊ あらすじ ◊◊
『熊野』~ゆや~平宗盛に仕える遠江池田の熊野は都住まいが続く。熊野は遠江の老母の看病の為に宗盛に暇乞いを申し出るが許されない。ある日故郷より侍女の朝顔が母の容態が良くないという文を届けに来る。熊野はその手紙を宗盛に示すが帰郷は許されない。宗盛の花見の為に東山に供をする熊野は、満開の花の中でも気持ちは沈み、六波羅密寺の地蔵堂や清水寺では、一心に病母を思い祈る。やがて酒宴となり熊野はしぶしぶ舞を舞う。折しもの村雨に花が散りかかるのを見て、熊野は母の命が思いやられる気持ちを涙ながらに短冊に綴り宗盛にさしだす。これに心をうたれた宗盛は帰郷を許し、さっそく熊野は遠江へと帰っていく。
『鵺』~ぬえ~熊野三社に詣でた旅僧が摂津の芦屋で里人に宿を頼むが、里の掟のために宿を借りれず旅僧は州崎の御堂で一夜を明かそうとする。するとそこへ怪しい舟人が現れ、その昔帝の原因不明の病を治すため源頼政は御殿を覆う黒雲に矢を放ち、黒雲の中の鵺を射当てたと話し、舟人は自分はその時に絶命した鵺の亡魂だと僧に正体を明かし、浦波の中へと姿を消す。僧が弔いの読経をすると鵺の霊が昔の姿で現れ、頼政は名刀を賜り名を挙げたのに対して自分は汚名を流し洞舟に押し込まれ今も闇の中で漂っていると語り月明かりの海へまた消え去る。