第37回 相模原薪能

2025年 8月24日(日)13:30 開演 (13:00 開場)
相模女子大学グリーンホール・大ホール

あらすじ

狂言「棒縛り」ぼうしばり
家を留守にするたびに、太郎冠者と次郎冠者が酒の盗み飲みをしていると知った主人は、お仕置きに二人を騙して縄に縛り、そのまま出かけて行ってしまいます。縛られても懲りない二人は、酒蔵へ向かい、酒の匂いをかぎ出すと、矢も盾もたまらずに酒を飲みたくなってしまいます。二人は縛られたまま器用に酒を酌み交わし、やがて舞いや謡いの酒宴をはじめます。そこにちょうど帰って来た主人が、酒盛りの有様を目撃して、問いただします。太郎冠者と次郎冠者はひたすら謝り、帰っていきます。

能「羽衣」はごろも
漁師の白龍が、今朝も三保の松原に来ると、松の枝に美しい衣を見つけ、持ち帰ろうとします。
すると、美しい天女が現れ、その衣は天の羽衣だから返してほしいと頼みます。ところが、白龍は家宝どころか国の宝にすると言って返そうとはしません。
天女は羽衣なしでは天に帰れず、悲しみに沈みます。同情した白龍は、羽衣を返す代わりに天女の舞楽を所望すると、天女は、これを承知し、まずは羽衣を返してほしいと言います。白龍は、天女を疑いますが、嘘はつきませんという天女の言葉を信じ羽衣を返します。
その羽衣を身につけた天女は、のどかな浦の景色を謡い、優美な舞を舞います。
さまざまな舞を披露したのち、天女は地上に宝を降らせますが、時が過ぎ天上に帰る時間がきたので、大空の霞にまぎれて遥か天空へ舞い上がり、月に帰っていくのでした。

小書 和合之舞 わごうのまい
「小書」とは能の特殊演出のことをいいます。通常の「羽衣」では、天女が序之舞を舞い収めてから、地謡によって徐々に天に昇っていきます。これに対し、観世流による小書「和合之舞」では、天女が序之舞を舞いながら月に帰っていきます。