梅若会別会能

2022年 3月20日(日)午前11時 開演 (開場 午前10時)
於.梅若能楽学院会館

『盛久』~もりひさ~
京に隠れていた軍将、主馬判官盛久は、源氏に捕らえられ関東へと送られた。途中警固の武士、土屋三郎に許されて日頃信仰する清水寺へ最後の参詣をし鎌倉へ着いた。処刑は明日早暁に迫り読経を終え、ふとまどろんだ盛久は清水観音の霊夢を見た。やがて処刑の時刻になり、盛久は金文字のお経を手に由比ヶ浜へひかれてゆく。太刀取りが盛久の背後から太刀を振り下ろしたが、手にしたお経から発する光に目がくらみ、思わず落とした太刀が二つに折れた。盛久は将軍源頼朝の前に召し出され、霊夢の内容を語ると頼朝も全く同じ夢であった。奇特に思った頼朝は罪を赦し、盛久に盃を与え、勇ましく舞を舞った。

山姥」~やまんば~
山姥の山めぐりの曲舞を舞うことで有名な遊女は百万山姥~ひゃくまやまんば~と巷で呼ばれていた。その遊女が都ノ者と従者を連れて善光寺へ向かう。途中、越後の険しい山道にさしかかると突然あたりが暗くなり、そこに現れた里の女に案内され一行は山女の庵を訪れる。山女は一行に自分が本当の山姥だと正体を明かし、遊女に曲舞の謡を聞かせてほしいと頼む。それを聞いた遊女は驚き曲舞を謡おうとすると、山女は月夜に自分の真の姿を見せると言い残して姿を消す。その夜、一行の目の前に恐ろしい鬼女が現れて、遊女の謡に合わせて本当の曲舞を舞い、四季折々に雪や花・月を訪ねる山めぐりの有様を舞い示し、大自然の雄大な姿を現す。

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