梅若会定式能

演能変更(日時・演目)のお知らせ
新型コロナウイルスによる影響をうけられた方々に謹んでお見舞い申し上げます。
また、医療関係者の皆様をはじめ、様々な場所で社会を支えてくださっている方々に、心より敬意と感謝の意を表します。

拝啓
平素はご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
過日お知らせ致しておりました令和三年の演能につきまして、コロナ感染の影響にて演目・日時が下記の通り変更となりました。
宜しくお願い申し上げます。
松山隆雄後援会

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2021年10月17日(日)午後一時開演
梅若能楽学院会館
能「通小町」雨夜之伝

深草少将の百夜通(ももよがよい)を幽霊物に脚色した曲
一 恋を欺かれた男の忍耐強い執念と、それから逃れて成仏しようとする小町 一
八瀬の山里に一夜を宿る僧は里女(毎日、果実爪木を捧げる)に果実の数々を物語るように言うと、女は故事などを面白く引用して語ったのち、自分の名をほのめかし回向を頼む。
僧は、女が小野小町と察し、市原野に行き回向していると女は弔いを喜び「戒を授けて欲しい」と言って現れる。その時、痩男の面に黒頭を振り乱した深草少将ノ霊が幕の中から「女には戒を授けないように」と言い妨げようとする。女は男の亡霊が今もなお自分に纏いつくのを嘆く。一方男は自分を置いて女一人が成仏することを嘆き、女の挟をとって引き止める。
僧は二人に懺悔の為、百夜通いを再現してみなさいと言う。
一 百夜通いは小町が少将に与えた試練である 一
少将は小町を思うあまりに、小町のもとへ雪の夜は袖に積もった雪を払いながら。又、雨の夜は自分の涙にも濡れながら百夜通いの信念で毎晩通った。(イロエ)
数えてみるとそれも九十九夜となった。あと一夜である。
嬉しい。急いで行こう。笠、蓑では見苦しいので笠と蓑は捨てて、風折烏帽子と狩衣と指貫に着替えて行こう。と気を奮い起こします。がその時、命が尽きてしまったのです。
僧の回向により、心の迷いから覚めた少将は多くの罪が消えて、小町と共に成仏するのでした。
シテ (深草少将ノ怨霊)    松山隆雄
ツレ (里女化身・小町ノ霊)  松山隆之
ワキ (僧)          工藤和哉